
チャートの見方を教わり、ついにフィリピン株の株をいくつか買った。
フィリピン株の魅力として紹介されていたのは、少額でも買えるということだった。
日本の誰でも知っているような企業の株、例えばトヨタ自動車の株を買おうと思うと、とても多くの資金がいる。
例えば、今現在、トヨタの株価は6993円で単元株数は100だ。
つまり
6993×100=699,300円
となるなので、最低でも70万円も用意しないといけない事になる。
その点、フィリピンは激安で、企業にもよるが買おうと思えば1万円や5000円で買えるようなところがゴロゴロある。10万あればめぼしいところは買えてしまうのだ。
たしかその時、買った内の一つはブルームベリー・リゾーツ・コーポレーションだったと思う。通称(BLOOM)だ。
日本では国会でもめにもめているカジノだが、フィリピンではたくさんのカジノがある。国もかんでいる官民共同でだ。それだけ利益が出るということだろう。
ブルームベリーもその一つで、もちろん財閥が仕切っている。フィリピンのトップレベルの富豪であるエンリケ・ラゾンが最高経営責任者だ。
そうして買った株は、下がる下がる上がる下がる上がるといった動きを見せる。スマートフォンでも一日の株価の動きが追えるのだが、始めた頃はまあ、気が気でなかった。
何せ虎の子の大事なお金だ。それが、今、フィリピンという国でマネーゲームの真っ最中なのだ。
仕事の休み時間はいつも見てしまう有様だった。
上がった、よっしゃ!
下がった、くっそー!
と心の中でいつも葛藤していた。
日本とフィリピンは時差が1時間ある。
日本が10時の時、フィリピンは9時だ。
フィリピンの証券取引所がオープンするのは平日の9時からなのだが、時差があるため、大体、日本にいると10時頃がオープンだ。
変動しはじめるのは日本時間の11時頃なので、その時間帯になるといつもそわそわしていた。
上がっている時は、気分がいいのだが、下がるとダウン状態だ。
今、思い返すと、あれは脳内麻薬のようなものが出ていたのではないだろうか。
今では、長期スパンで見ているので、一日のうちで上がろうが下がろうがまったく気にならなくなっている。
もちろんそれは現時点で勝っているからだ。
マイナスになっていたとしたらきっと気が気でないだろう。
